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2008年10月 8日 (水)

八百長について

 私たちは様々な八百長を知っている。

 亀田一家がタイ人とばかり戦い、バイト感覚の相手に勝つ八百長。プロレスが真剣勝負に見えないことに対する「八百長だろ」という声。そして、目下話題沸騰中の「相撲の八百長」。どれも「いんちきだろ」という義憤の声ではあるのだが、怒る意味はそれぞれに違うと思う。

 まず亀田の八百長だが、これは亀田家とバイト外人だけが喜ぶための八百長である。そこに客の利益はなく、金返せ!という声も妥当だ。これに対して、客の利益=満足感を満たす意味もあるのがプロレスである。そこに客を喜ばせるため、という目的意識があるかぎり、客に怒る価値はない。ある時はショーであり、ある時は格闘技であるから、そのあいまいさ、深みを楽しめない人は怒るだろうが。

八百長だろ!の声には、プロレスから言わせれば、たぶん「じゃあ、ガチって何」って話になってくると思う。本当のガチは刑務所に入るぐらいの覚悟でやることだろう、って話になる。ルールを作ってガチで闘うんだ、というけれど、プロレスにはそのルールのなかに「お客さんを意識すること」というルールが入っていると思う。そのルールというか理想を守りながらやっている、と思う。本当の本当のガチって誰も見たくないものだとレスラーは知っているんじゃないかな。

で、亀田の話に戻ってしまうんだが。亀田の場合、その客の目線を意識していたのか、どうなのかってところが微妙なラインである。仮に意識して「おもしろいやろ」と思って八百長をしかけていたとしても、それをリングでやったというのがまず怒られるポイントになる。リング上で客の目線を意識した物語を見せることは、ボクシングのルールにない。というか、そこを楽しむ客がいない、と言ったほうが正しいか。まあ、十中八九、金と名誉の自己顕示だと思うが。そしてそこにTBSの利益がさらにからんでいる。

さて、最後の八百長、元若ノ鵬の件。ここで気になるのは、相撲ファンの中にプロレス的な物語を楽しむ人がいたかどうか、ということだと思う。(勝ち)星を買う、という相撲用語を知っていて、なお楽しんでいたプロレス的なファンがいるはずである。それでも強いやつは強いから、と気にしないで取り組みを楽しんでいたと思う。そして心から相撲は国技だ!汚れの許されない真剣勝負だ!と思っていたボクシング的ファンもいるだろう。この2種類のファンにとって、「八百長の真相」とはどういう意味をもつんだろうか。

プロレス的な見方をしていたファンは「いまさら」という顔をするだろうし、ボクシング的な見方をしていたファンは「まさか」という心苦しい思いだろう。一番喜ぶのは、2種類のファン以外の「世間」なのだと思う。相撲をそんなに好きでもない人がヒールと化した相撲協会のスキャンダルを楽しんでいるだけだと思う。悪趣味だ。

けれども、罰することによって「伝統」が変わった後の角界への興味は誰もがあると思う。だけど本当に相撲のために八百長を暴くのなら、そこに利益がからんじゃいけない。いま、問われているのは姿勢である。八百長問題と角界問題をつなげ、実態以上にみせて物語化して稼ごうとするその報道姿勢だって、利益がからめば世間を喜ばせるための八百長みたいなもんになるんだから。

text by 副編

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