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2008年4月 3日 (木)

追悼!思い出の発泡酒たち

Tanrei

ガソリン税がどうだこうだ言ってるが、忘れちゃいけない発泡酒の酒税。35.5%が税金って高すぎだろ。三本飲めば、なんと一本が税金に!って、何だよそのキャッシュバックキャンペーンみたいな税額は。

ビールと呼んでもらえず、安さが自慢だったのに第三のビールに奪われて、今はまるで中間色のようなポジション。さらに売っても売ってもロクな売り上げにならない税制。出口のない不毛な戦いの果てにビール職人たち、いや発泡酒職人たちは何を思うのか。今夜、思い出の発泡酒たちを回想していきたい。

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●サントリー・ホップス

初めて飲んだ発泡酒はホップス。安いけど、まずかったなぁ。本当にまずかった。こんなもんビールじゃない!と思ったよ。スーパーホップスになってからスマップ中居がCMやってたけど、すべり放題。そういえば、ホップスきらいだったんだ。でも消え去った今、発泡酒のマズいイメージといっしょに心中してくれた感じがして、感謝してます。

Hops

●麒麟淡麗〈生〉

発泡酒界のスーパードライ=王道は淡麗である。やっぱり直球CMをやったもん勝ちってことだろう。缶に汗をかかせて、熱い日にぐびっとやってシズル全開&商品ズドーン!キリンはスーパードライになりたかったんだろうな。憧れと嫉妬が入り乱れた感じが、あらわれてていい。このままスーパードライでいってくれ。現存する最古の発泡酒よ。

●サッポロ ブロイ

全然、爽快感がない点が好きだった。まったりとして香りがいい。「味わえる、味がある」とかいう、いいところで読点を打ったCMコピーも憶えている。だが、世間が発泡酒に求めるのはもっと大味なもんだった。発泡酒としての新方向に挑戦したその心意気は認める。この消滅は、今後の挑戦に生きてくるだろう、と消えてから何様的に思っていた。

●サントリー マグナムドライ

ドライ、という名前にすべてがある。やっぱりサントリーもスーパードライの直球の強さを認めていたのだなと思った。缶も銀色で「辛口<生>」と書いてあるところを見ると、あきらかに戦線布告。味はガブっとノドに食いついてくる感じで、強い刺激にノドを痛めた。あれをノドごしと呼ぶべきか迷った。しばらく飲んでないなと思ったら、生産中止になっていた。今思うと嵐のようなやつだった。後にスーパーがついて復活。サッポロが「きりっと 新・辛口<生>」で続くが、相変わらず後乗りが下手。

●サッポロ ファインラガー

ラガー、という名前にすべてがある。サッポロはキリンのラガーに憧れていたのか。発泡酒戦国時代に入って何でもアリにしたのはマグナムドライだが、やりすぎじゃねえの、と思った。当時の新聞広告がアホと呼ぶのもアホらしい軽さで好きだったが、広告だけ見て飲んだこともなかった。サッポロの商品は運動神経の悪い子どもをみているようでかわいくなってくる。短命商品に、黙祷。

●あの夏に消えた3つの発泡酒

Photo

ノドごしで淡麗の天下になった時代。夏のセミのような儚い浮き世の短命商品がぞくぞく登場。爽快感に対して、季節感の一本勝負に出たが、その戦いは泥沼の始まりだった。短い時期しか生き残れない商品は、登場こそ人気のピークである。

第1弾 サントリー「夏のイナズマ」
名前に笑った。腹筋に電流がはしるほど。イナズマはノドへの刺激感の比喩。バカっぽさにしびれたよ。

第2弾 キリン「キリン常夏<生>」
常夏。キリンは熟語にこだわるクセがある。あ、それがブランドって奴の一部か。王者として受けて立つ感じを醸すのがうまい。

第3弾 サッポロ「夏のキレ生 セブン」
サッポロの立ち位置はいつもテレ東みたいだ。新製品なのにいつも使い回し感がする。そして商品はいつも流れ星になる。

●サントリー「風呂あがり」

間のヌけた感じが、すばらしい。発泡酒のなかで一番素朴でのどかで大好きなネーミング。商品名「風呂あがり」だよ。市場争いに消耗してアホになってきた記念碑的商品名。だれも憶えちゃいないだろう。サントリー風呂あがり。いい響きだ。合唱。

●アサヒ「WiLL ビー・フリー」

WILLとは、マーケティングでっかちの時代のシンボルである。こだわりとか自分らしさをテーマに掲げることと、ひとつのブランドにくくることの矛盾が解消できずに自滅した戦略。国民総WILLって悪夢だ。アサヒ「WiLL ビー・フリー」も、WILLという泥舟にのった商品のひとつ。時代の徒花である。WILL BE FREE. それは無理があった。

●サントリー「ダイエット<生>」

味はいつも好きではないが、サントリーの商品名のセンスは好きだ。なんのひねりもなく純情。だがね、ダイエットもしたいし、でもガツって飲みたいし、と消費者はもやもや揺れているから、あいまいな名前の商品にかたむくのかも。ダイエット生より、淡麗グリーンラベルのように、カロリー少ないことをうまさの利点にした方が売れるわけだ。それに「ダイエット」は手にとる時に恥ずかしい。

いつもサントリーは極端で戦略はっきり見えすぎ。
ダイエットを意識したら、「ダイエット<生>」
冬の商品は、サントリー「冬道楽」
カラダにいい商品は、サントリー「楽膳<生>」
一点突破はすぐ消えると思うんだが。
で、今「ゼロナマ」だろ。やな予感するなぁ。

●サッポロ「ひきたて焙煎<生>」

こういうことをすると消えるんだよ、という教訓的存在。一番搾りは製造行程で何も搾ってないが一番搾り。だが、旨さ抽出的な感じがある。それくらべてサッポロ。「ひきたて」は抵抗がある。焙煎もビールから遠い。二番煎じを失敗するところが、サッポロらしくて好きだが。

後に、自然とか北海道という産地の素性が確かなところに行く。
その方向性は間違ってない。
「樽生仕立」→「海と大地の澄んだ生」→「北海道生搾り」
健闘が光る「凄味」もいいが、品質の時代だから、
もう路線変更はしなくていいのかも。

●キリン「白麒麟」

キリンはセンス的に発泡酒の王として揺るぎない黄金時代があった。サッポロが「のみごたえ」とかいう考えるのを放棄したかのような名前をつけてる間に「白麒麟」「極生」「生黒」「小麦」とつぎつぎとネーミングセンスで連勝。これらを定番化させる方向もアリだったのでは、と惜しまれる。今の発泡酒は一発屋の芸人みたいだから。

●アサヒ「本生」

俺の中ではもう死んでいる商品。スーパードライのようなトップの座が欲しいが、その位置に淡麗が座っててどいてくれない、といった姿が見える。同シリーズの「スタイルフリー」ががんばっているが、もう勝負づけはすんでいる感。大関どまりで横綱にはなれない。

アサヒはいま「クリア アサヒ」とか売り出してるが、ぬるすぎる芸能人交友録CMでどこまで行けるのか。ゆる〜い空気で友だちと遊んでいるダウンタウン浜田に商品価値はあるのか。先ゆき不安。

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発泡酒というジャンルには、心の傷がある。ビールへの劣等感がある。発泡酒をビールを呼ぶ家庭には切なさがある。体重を気にして飲む。財布を気にして飲む。世間体を気にして飲む。どうしても発泡酒は負の影がまとわりつく。

やがて第三のビール(新ジャンル)が手広くのびてきて、「庶民の味方」という発泡酒の立ち位置は揺らいだ。新しいイメージの再構築のために、数々の商品が流星のようにキラリと輝き消えていった。現在も「あれ飲んだ?」という話題性という瞬発力はあるが、売れ続ける持久力のない新商品が出る。春の夜の夢の如き商品は、ひとへに風の前の塵に同じ。

そうして、失敗を重ねて、もがき苦しみ生み出されてきた光明がいくつかある。ビールより個性を出せる「素材感」、ビールより気軽に飲める「カジュアル感」「カロリーオフ」「糖質オフ」。ビールより、という前提はぬぐえず、こしゃくといえばそれまでだが、数々の新商品のしかばねを超えて見つけた方向性の行方を楽しみにしている。

Photo_2

消えていった発泡酒に、この中途ハンバな商品の未来に、乾杯!

text by 副編

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