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2004年11月26日 (金)

サッカーをする生物「久保竜」

私は、久保竜を見ると、ひいきのラーメン屋を思い出す。
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そこは、たぶん何十年もやっている。本棚にタイガーマスクの一巻がある。店主のおっさんは、とんでもなく無愛想である。ほぼしゃべらない。おっさんは注文を聞いてるんだか聞いてないんだかわからん様にみえて、黙々としかし確実に、調理をはじめる。いきなりのそっと近づいてくる。無言でラーメンを置く。私はそれを食う。おっさんは料理を続ける。そんな無口の関係が、たまらなくラクでいい。逆に言えば、お店等で話しかけられる関係に疲れている。洋服屋で店員が近寄ってくると、うんざりするように。

私はこのおっさんと久保竜は似ている、と思う。口数が少ない奴は信用できる、なんて話ではない。久保とおっさんの共通の魅力は「なんの理由もなしにそうなっている」ことだと思う。鳥が歌うように、魚が泳ぐように、おっさんはラーメンをつくり、久保はサッカーをしている。ように思える。NAKATAのように、ディオールのサングラスで気どることもない。中村俊輔のようにカッコ良く写真にうつろうと背伸びする見栄もない。サッカーで稼いで、メシを食う。そんだけ。サッカーに必要のないことをしてない。生物としての営みは、いたってシンプルだ。

久保のメディアでのコメントがつたないのも、必要だと思ってないからだと思う。そんな舞台で戦っちゃいない。小学校の頃「野球選手になるから、宿題は必要ない」と親に言い切った友だちがいたが、それと同じ。それをガキの頃から続けてこられる奴は希有だ。「自然体」ではあるが、中島美嘉や元ちとせがステージの上で素足になるような薄っぺらなもんではない。目的なき自然体。自分の周りの必要最低限の社会とだけ関係していればいい。と、本気で思っているはず。

いきなりまとめに入るが、私たちは、そんなやつを「天然」といって笑う。ボレーシュートを決めた後「トラップするのが面倒だったから」と言い放った。そう。その「天然」とはバラエティ番組等でよく使われる意味だ。だから、卑下することもできるし、嘲笑することも充分可能だ。だが、私は心の底から笑えなかったりする。その言葉の底に、サッカーでしか生きられない久保竜を見つけるわけだから。

<関連テキスト>

  • 「Number」はナルシズム増幅装置。
  • text by 副編集長

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    コメント

    久保選手への愛のあふれた記事のトラックバックをいただきありがとうございます。

    スミマセン。実は今酔っていて、同じ記事を2度トラックバックしてしまいました。お手数ですが、2度目の削除をお願い致します。

    投稿: にゃん | 2004年11月26日 (金) 午後 11時39分

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    » 久保選手インタビュー記事 [不安・抑うつ・マイペース]
    客先から直接帰宅する途中、サッカーの久保竜彦選手のインタビューが載っている雑誌『 [続きを読む]

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